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祭ばやしが中トロなら、極実スイカは大トロ!

倉吉市の主なスイカ品種は、レギュラー生産する「祭ばやし」と、少量生産の「極実スイカ」。極実スイカは皮が薄く、まろやかで甘くソフトな味わいが特徴です。倉吉スイカ生産部の指導部長・岸本健志さんは、「食べると口の中にスイカ特有の繊維質が残らず、溶けていく感じかな。祭ばやしが中トロなら極実スイカは大トロ。シャリシャリ感がありながら、食べているうちスーッとなくなっていきますよ」と表現してくださいました。 倉吉市では30年ほど前から特産品スイカの研究を始め、種からまいて接ぎ木をせずに栽培する「実生(みしょう)スイカ」にたどりつきました。これにスイカにスイカを接ぎ木する農法を取り入れたところ「極めた実」が誕生し、平成15年から「極実スイカ」と命名しました。

効き目の長いアドマイヤーがアブラムシ防除に最適!

極実スイカの定植は3月中旬~4月末。その後は一般のスイカと同様に、摘心、整枝(1つの苗に元気のよいツルを数本だけ残してツルの方向を一本一本整ええていく作業)、交配、間引き、シート敷きと続き、日々の温度管理と病害虫防除(5回)を丁寧に行います。収穫は1作目が6月中旬~7月末、そして7月初旬から再び定植する2作目の抑制スイカが9月初旬~9月末と、年2作で栽培しています。 難敵の害虫はアブラムシ。栽培中に栄養を吸われるほか、お尻から出るベタベタの汁で外観も損なわれます。そのベタベタが共選場の選果機の底に付着すると機械の中でスイカが割れる原因にもなるそうです。 倉吉ではアブラムシ防除にアドマイヤーを発売当初から使い続けてきました。岸本さんは「かけてすぐ効く薬はいろいろあるけど、1か月近く効果が続く薬はほかに見当たりません。いいですよねぇ」と語ります。交配後から収穫までの間に、虫がいてもいなくても必ず散布するのがポイントです。「出ちゃってからでは手遅れだからね」。

栽培はむずかしいが、これがスイカ本来の甘み!

極実スイカは栽培が難しいので腕のある篤農家だけが1玉ずつ丹精に作っています。一般的にスイカはカンピョウなどの台木にスイカを接ぎ木しますが、極実スイカはスイカにスイカを接ぎ木しているので、スイカ本来の味が引き出されます。「その点、倉吉の生産者の方々の技術は高く、みなさん頭と体でしっかり覚えていてみんな上手に作っていますよ」と岸本さん。 1回作ると同じ圃場で連作がきかず、5〜10年作れないため、圃場を転々と移動させる必要もあります。そこで生産ロスを少なくするためにも、作型も露地栽培とハウス栽培の両方を行うなど、収穫のリスク分散も心がけています。 岸本さんは、「収穫量が少ないので、どこで売ってるのかとよく聞かれますけど、機会があればぜひ中トロと大トロの違いを味わってください。違いはすぐわかるから」と自信たっぷりの笑顔を見せてくれました。

  • 倉吉スイカ生産部・指導部長の岸本健志さん。指導のポリシーは「レベルの低い方のレベルを上げて、全体のレベルを底上げすることです」。

  • 倉吉すいか生産部の皆さん。前列左から木村政則さん(検査部長)、広田伸一さん(生産部長)、松井弘志さん(販売部長)。後列左から島池浩徳さん(生産副部長)、金居清美さん、JA鳥取中央の朝倉誠さん、渋谷史郎さん(資材部長)。

  • 収穫目前の極実スイカ。外皮に浮いたきれいなブルームも品質の高さの証です。

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