全国の生産地訪問レポート 日本農業新聞で広告掲載させていただいた全国の生産地を詳しくご紹介します。

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おいしくて食べやすい「シャインマスカット」

フルーツ王国「山梨」は火山灰土の平坦な盆地で、朝の冷え込みと昼の高温と寒暖差があり、ぶどう栽培には最適です。恵まれた気候風土のもと、黒系の巨峰、ピオーネ、赤系のデラウエア、青系のマスカットやロザリオなど多彩なぶどうが栽培されています。
青系の「シャインマスカット」は、皮ごと食べられ、種がなく、糖度が高く、酸味が控えめで、木の樹齢にかかわらず味に当たり外れがほとんどないのが特徴です。「食べるのが面倒なフルーツ」と言われることのあるぶどうのイメージも払拭できると大いに期待されています。

手のかかる栽培に欠かせないのが早めのアドマイヤー散布!

数ある果実の中でもぶどう栽培は特に手がかかります。「シャインマスカット」も同様で、前年11月の施肥に始まり、冬場の整枝剪定、4月中旬~下旬からの「芽かき」、その後6月末までかけて「新梢管理」、棚目に新しいツルを這わせる「誘引」、「房作り」(房下部の花穂を約4センチ残して切り落とす)、6月上旬~中旬に「ジベレリン処理」(房を植物ホルモンに浸して成長促進、種なし化すること)、さらに「病害虫防除」、房への「袋かけ」など大忙しです。
悩まされる害虫は、幼いぶどうに発生するスリップス(チャノキイロアザミウマ)です。これは幼い実を食害するほか、房中央の軸をかじって軸が枯れたような茶色に変色させられるため“蔓が引けて”(鮮度が悪く見えて)しまい、ぶどうの商品価値を損ないます。6月中旬に行う第1回目の防除は大きなポイントで、これにアドマイヤーが使われています。「アドマイヤーフロアブルは5000倍と濃度が薄いため、ぶどうの粒の大小にかかわらず撒けて使いやすいんです。おかげで毎年きれいな色に仕上がっていますよ」と語るのは、露地大粒系ぶどう部会の部会長・宿沢(しゅくざわ)明さん。「発売以来ずっと使っています。すももやももなどほかの立木のスリップスやアブラムシにも使えるし、とても便利な剤です」。

部会で味、形状、さらに売りやすさまで検討する

今人気急上昇中の「シャインマスカット」は、他の産地との競争があるため、部会ではJAフルーツ山梨の指導員さんとともに、出荷のしやすさや店頭での売りやすさまで検討しています。栽培講習会を何度も開催して、決め事を全員がきちんと守っています。また、PR効果の高いパッケージなども部会で検討、決定しています。 今年は“舟形”のビニールパッケージ袋に1房ずつ入れて、出荷することになりました。この袋にぴったり入る房の形・サイズになるよう栽培しようと、1房のグラム数、1箱の房数などすべてに基準を設け、全員一丸となって取り組んでいます。 今年のシャインマスカットの出荷は8月中旬~9月中旬の予定です。

ぶどうは自分の作品、 自分らしさで“造る”もの

「ぶどうは自分の作品、自分らしさでつくるもの」という宿沢さん。つくるの字は「創る」でも「作る」でもなく、「造る」に近い感覚だそうです。
そして「ぶどう栽培はセンスだね」ともおっしゃいます。剪定、摘心、摘房、摘粒などの作業の手先感覚で、粒を大きく育つかどうか、1房の粒数を狙い通りに実らせられるかどうかは切る人のセンスにかかってくるということです。

今の季節、生産者の方々は圃場で収穫時期の仕上がり姿をイメージしながら、まるで熟練の床屋さんのような手さばきで、1房ずつ丁寧に剪定しています。「房が出っ張りそうな部分や、房の中で粒どうしが潰し合いになりそうな箇所を予測して切ることで形も味も良くなります。うちにはそういうずば抜けた腕を持った生産者がたくさんいるんだ。女性のほうがセンスがいい傾向があるんだよなぁ」語ります。その笑顔には山梨産「シャインマスカット」の仕上がりへの自信のほどがうかがい知れました。

  • 露地大粒系ぶどう部会の皆さん。「山梨ならではのシャインマスカットを熟練生産者が腕によりをかけて栽培中です!」。

  • 露地大粒系ぶどう部会の部会長・宿沢明さんは、県下のぶどう農家約3000名のトップとして、シャインマスカットをはじめとする各種のぶどう栽培を牽引しておられます。

  • JAフルーツ山梨と部会が一緒になっての「講習会」。最適な剪定の方法などを学ぶ姿は真剣そのものです。

  • 1回目の害虫防除が終わったばかりの若いシャインマスカット。房下部の花穂を約4センチ残した「房作り」もされています。

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