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こんにゃく栽培は丁寧が一番!

群馬県のこんにゃく芋の生産量は現在5万5,400トン。JA利根沼田管内はその約5割を占め、県内一を誇っています。
「昭和村は県内生産の約4割を生産する産地だと知ってもらえたらうれしいですね」と胸を張るのは、昭和村・宿(しゅく)地区の「こんにゃく研究会」会長の加藤茂さん。生産活動の一翼を担うこんにゃく研究会は、JAの出荷組合も兼ねており、栽培の効率化や収量増を工夫し合って、不作の年もみんなで助け合って生産量の維持を図るなど、地域一丸体制を支えています。
有名産地である昭和村には、水はけが良すぎる土質条件を、極上の栽培技術を磨くことで乗り越え、大きく花を咲かせてきた歴史がありました。「おかげさまで毎年のようにいろんな賞を取らせていただいています」と加藤さん。群馬県は「群馬県こんにゃく研究会」が「群馬県こんにゃく立毛共進会」を毎年開催しており、昭和村は、農林水産大臣賞などの受賞者を次々と輩出しています。「いいお手本を参考にしながら、施肥や除草、病害虫対策などもみんなが工夫し、これからも全員で切磋琢磨していきます」。
栽培の機械化が進み、個人でも数ヘクタールの広い圃場を大型機械で作業しています。その一方で、「こんにゃくはデリケートですから、丁寧に栽培するのが一番」と手作業の大切さを加藤さんは指摘します。毎日畑を歩いてこんにゃくの顔が変わる様子を見てまわり、秋の掘り取りも手作業で生芋を傷つけないよう気配りすることで、全体の収量が約2割も違ってくるそうです。

デリケートな作物をアブラムシ被害から守り抜く!

こんにゃくは収穫までに2~3年かかります。1年目は種芋作りで、春に種芋の赤ちゃん「生子(きご)」を植え、秋に掘り起こして一旦貯蔵庫に保管します。2年目の春(5月中旬)に種芋を植え、芽を伸ばして地上に広がった葉が春から秋に光合成し、地下の球茎に養分を蓄え、種芋からこんにゃく芋(2年生)へと育ったら収穫です。翌々年も同様に収穫(3年生)し、出荷は毎年10月~12月です。
台風や連作障害、病害虫などの被害が出やすい作物ですが、なかでも大敵はアブラムシ。葉の裏にたかって養分を吸って黄化現象を起こしたり、葉が萎縮する「えそ萎縮病」も誘発。また葉の光合成を妨げて球茎の肥大を阻害します。
害虫対策のポイントは、定植前の予防防除と、雨が減って空気が乾燥する頃の臨機防除です。1回目は5月中旬頃、定植前にアドマイヤー1粒剤を土壌混和し、その後は虫が発生しやすい8月下旬~9月に顆粒水和剤をブームスプレーヤーで散布します。
「アドマイヤーは残効が長いので防除処理が春先の1回ですむこともありますし、アブラムシが増えてきても、散布して、退治すれば黄化した葉も元に戻って、秋まで正常に育ってくれます」。加藤さんはこれまでも様々な野菜やぶどうの栽培にアドマイヤーを使ってきました。そして今年は、メイン作物であるこんにゃくの全圃場面積に1粒剤を散布して、効果をあらためて実感したそうです。「やはり発生前に消毒するのが基本だね。アブラムシにはアドマイヤーが一番です」。

一度試してみてほしい、ご家庭で手作りこんにゃく!

加藤さんは「秋にいい品質の作物がいい収量で仕上がって、苦労の見返りがあった時は何よりうれしいねぇ」と目を細めます。手間暇かけて同じ大きさでも重たいものに仕上げるのがこだわりの一つだそうです。
こだわりのこんにゃくには知人や親戚のファンが多く、収穫直後の生芋を送ってあげると、自分で生ずりして作る人がたくさんいます。
加藤さんから、ご家庭でこんにゃくを手作りする提案がありました。「昔から“本当に旨いは生ずり”っていわれるほど生ずりで作ったこんにゃくはおいしい。簡単に作れます。1キロの玉に4リットルの水加減で、炭酸ソーダが30グラム。とろけるような柔らかいこんにゃくができて、これがやたら旨い。特に刺身こんにゃくは出来たてが一番です」と、昭和村のこんにゃく愛を実感させられるお言葉でした。

  • 昭和村・宿地区の「こんにゃく研究会」会長の加藤茂さん。合計7ヘクタールの圃場で30年以上こんにゃくを丁寧に育ててきた。

  • 昭和村・宿地区「こんにゃく研究会」の皆さん。「こんにゃくを食べよう!地域の誇りにかけて安全で安心な栽培をしてるので、家庭でいっぱい食べて!」

  • 春の植え付けから2か月後のこんにゃく。それぞれの土の下に1個ずつ球茎ができる。

  • 生子から1年かけて育った種芋。これを定植して秋に収穫するのが2年生、来春定植したものが3年生となる。

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