全国の生産地訪問レポート 日本農業新聞で広告掲載させていただいた全国の生産地を詳しくご紹介します。

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子育てをするようにベストなすいかを周年栽培!

「すいか農家はサラリーマンより高収入だと知って、Uターンして農業を継ぎました」と笑いながら話してくださったのは、園芸部会・役員の井上敏幸さん。延べ約2ヘクタール、約10のハウス施設ですいか栽培する専業農家です。
就農当時はまだ露地栽培が主だったそうですが、鹿本では夏の気温が上がり過ぎることもあり、井上さんの世代からハウス栽培に切り替わっていきました。「今はどの農家も年に2作か3作、ハウスで一年中すいかを作っています」。春作が終わると一度圃場をきれいにし、ハウスを閉めて中の温度を50~60度にして病害虫を防除。それから秋作の植え直しをするという丁寧な農法です。
栽培のこだわりは子育てと同じだといいます。成長期に栄養バランスの取れた食事を与えないといけないため、毎年、部会の全員が圃場の土壌分析を受け、施肥設計してから定植。「すいかには日光が一番の栄養。日照環境をよくして、風を通してやるなど、皮目のぎりぎり近くまで糖度を上げる工夫を重ねています」と井上さん。また、奥様が毎日、天候、施肥、防除、摘果、収穫などの「栽培日誌」をつけ、過去と比較しながら品質管理に役立てています。これも春夏すいかの上品な甘さと食感の良さの秘けつの一つでした。

  • 井上さんが2月下旬に苗を定植したハウス施設内。出荷は5月下旬です。

  • 井上さんのビニールハウス施設。約10棟のハウスですいかを栽培しています。

  • 幼い果実が7センチ程度になった頃をめどに摘果作業が始まります。

アブラムシの初期防除が大きなポイントに!

すいか栽培の敵は虫です。「アブラムシはすいかの成長を阻害します。幼い実が小さく萎んで、茎もひょろひょろ。葉っぱの裏に吸い付いて栄養をみな吸い取ってしまいます。赤ちゃんにミルクを与えないようなものですね」と井上さん。葉が弱ると病害にもかかりやすくなります。特にアブラムシは葉っぱの裏につくため目で見つけにくい厄介者です。温度の高いハウス内に発生させたままにしておくと、2週間程度で大繁殖して、1つのハウスがアブラムシで全滅することもあるので細心の注意を払っています。
アブラムシ防除は初期防除が大事で、定期防除が欠かせません。使うタイミングは花をつける直前。定植して40~45日頃に花が咲くので、アドマイヤーを34~35日目に使用します。また、他の剤を使うローテーション防除の時などに虫を発見すると、その場で臨機防除も行います。「アブラムシにアドマイヤー。もちろんこれからも使いますよ」。

  • アブラムシに食害された葉は栄養不足で変形しています。

  • 花が咲く一週間前頃にアドマイヤーを散布します。

  • すいかがピンポン球より少し大きいサイズになれば、そろそろ農薬が使えます。

食卓に笑顔を!若い世代に技術を!!

井上さんは「すいかは自分が育てた、人に誇れるもの。今まで手を抜いて作ったことなんか一度もないです」と胸を張ります。部会でも「生産者は食卓の笑顔を思い浮かべながら作ろう」「農家一人ひとりが社長になった感覚で取り組もう」「消費者の視点を大事にするのは農業も同じだ」といつも言っているそうです。そして部会全員が「品質にこだわってオリジナルなもの、もっと喜ばれるものを作っていこう」と一致団結しています。
すいかは果実が重いので高齢者が収穫作業するのがつらい作物です。今後は若い世代の育成にも力を入れていくそうです。「この地域はやる気のある若い人が増えてます。ほかに誰かやりたい人がいれば私が丁寧に一から育てます。いつでもどうぞ」と最後に大きく目を輝かせました。

  • 園芸部会の役員を長年務める井上敏幸さん。「私たちにとって消費者の笑顔がいちばんのご褒美です!」

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